今回ご紹介する映画は、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』です。
「ミッション:インポッシブル」シリーズ第8弾、そしてシリーズ初の2部構成となっており、前作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の続編となっています。

本記事では、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』をネタバレありの感想で綴ります。
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作品情報
タイトル | ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング |
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原題 | Mission:Impossible – The Final Reckoning |
製作年/国 | 2025年/アメリカ |
上映時間 | 169分(2時間49分) |
ジャンル | アクション |
監督 | クリストファー・マッカリー |
脚本 | クリストファー・マッカリー |
キャスト | トム・クルーズ サイモン・ペッグ レベッカ・ファーガソン ヴィング・レイムス ヴァネッサ・カービー ヘンリー・ツェーニー 他 |

予告動画
あらすじ
イーサン・ハントが2本の鍵を奪って逃亡してから2カ月。人工知能エンティティの脅威は加速し、各国の核兵器システムへの侵入、ネット情報の操作、そして“信者”の拡大により、世界は分断されていた。
政府に鍵を渡せば、今度は国家がエンティティを利用して世界を支配しかねない。葛藤するイーサンに、大統領から協力要請が届く。彼はルーサー、ベンジーと再集結し、刑務所でパリスを救出。ガブリエルの手がかりを得ることに。
ロンドンのパーティーでグレースと再会するも、ガブリエルに囚われる。難を逃れたイーサンたちは、敵の拠点で交信ポッドを使い、エンティティと接触。仲間の死を予見させる“未来”を見せられ、AIから「南アフリカの終末サーバーに自分を保存せよ」と命令される。
ガブリエルはルーサーのアジトを急襲し、エンティティ制御の切り札「デジタル毒薬」を奪う。イーサンは仲間と世界を救うため、再び命を懸けたミッションへと挑む――。
ここからはネタバレを含んだ内容となります。ご留意の上、ご覧ください。
ネタバレ・感想
駆け出しから駆け足

「最初から集中しとけよ!」
映画が開始して15分後くらいに頭の中で声が聴こえました。皆さん思いましたよね?毎シリーズの冒頭でお決まりになっている上司からのメッセージで始まり、、、あれ、気付いたらイーサンとグレースが何故かもう捕まってる。そして、もう悪の親玉のガブリエルと接触してる。展開早すぎません?
ようやく来たオープニングは、個人的にはなんかイマイチ。ミッション・インポッシブルはやっぱり導火線から始まるあのオープニングがアイコニックで、間違いなく「このオープニングがM:Iの物語の始まりなんだぜ!」感があったのに、、、
今回ってタイトルにファイナルって付いてるし、しかもトムはもう最後じゃないの?っていう謎の先入観から、勝手に原点回帰するでしょ的な希望を持ってましたが、見当はずれでした。ってことはトムはまだ続けてくれるのか…?!
まあでもそれはさておき、今回もやっぱりテーマソングが流れる時のドキドキ感は最高(IMAXで観たので余計に)なんですが、ここで来んのかいってツッコミ入りそうで悩みに悩んで挿入しました感を感じ取ってしまいました。
オープニングはやっぱり導火線で始まってくれー!
鉄人「トム」でもあんまり無理しないで

今作でも、イーサン、と言うよりもトム(62歳)が鉄人過ぎます。
これまでの作品でも、高層ビルを駆け上がったり、バイクで崖から飛び降りたりしてたからこそ、イーサンは鉄人で何をしても命を落とすなんてことはないんじゃないかな、ってみんなの潜在意識にゴリゴリに擦り込まれてます。
今作においても、街中を走り回ったり、水中に一人で潜入したり、何と言ってもセスナにしがみ付いたりと、62歳の所業とは思えないアクション演技をしていました。
ただ、過去作と比べるとやっぱりトムの老いがチラつくんですよね。
年齢の先入観があるからかもしれないですけれど、どことなく表情が疲れているような。セスナのスタントももちろんとてつもなくすごいことで、昔のように強引に飛びつく感じも、観ている側からすると、文字通りハラハラドキドキでした。
そうなんですが、やっぱり体の無理が利きづらいのか、そんなシーンが見え隠れしていたように思いました。
スパイ活動している中で、これまでは必ずと言っていいほど想定通りには行かなかった部分が多かったです。道具が壊れたり邪魔が入ったりと。そんな中でも、若イーサンだったらその場の思い付きと勢いで「インポッシブル」を「ポッシブル」に変えてきました。でもそれは、体の無理が利いていたからこそ出来ていたってことも。
欲を言えばですが、ファイナルとタイトルに入っているとは言えども、今作のミッション完了後も「まだまだ現役で行けるぜっ」的な感じで終わって欲しかった…!ですが、やっぱりイーサンも人間なわけで。
ここまで世界のために、この年齢まで第一線で体を張り続けたイーサンは偉大!イーサン万歳!
スパイ活動は?ハイテク機器はどこへ?

「影に生き、影に死ぬ」
影って何?
そう、影はスパイの比喩。本人に変装したりハイテク機器使ってこっそり潜入したり、、、あれ、オレ達のイーサンどこ行ったの?って声が自分から漏れ出してもおかしくないほどに、今作はスパイしてない。
ガブリエルとの再会も潜入どころか捕まって身の危険(まさにバラティエのパールさん)。南アフリカの保管庫へは、もはや中央突破。強いて言うなら、最初のパリス助けるところで現地警察に変装してたところと、ロシアの潜水艦にバレないように一人で海底に潜って行ったことくらい。でもあれロシアの潜水艦触ってたよな?感知されないんかな?なんて野暮ですよね〜
でも今回の敵はAIだから、ハイテク機器は汚染される可能性あるし、イーサンはもはや名も顔も知られ過ぎたスパイだから隠せるものも隠せないってか。いつも以上に体張ったシーン多かったですしね。
何はともあれ、イーサンが潜水艦のプロペラで切り刻まれなくて本当に良かったよ!ね?きっとみんなそう思うよ!そうだよ!、、
大統領その他の人間味は最高

脇役、とは言わせないと言わんばかりの重役達の演技、個人的に最高でした。
大統領としての出演は今回が初ですかね。オープニングでお決まりのミッション通達のツールは、過去作はサングラスだったりレコードだったり、こんなもので!?というのが期待を超えて好みでした。今回はエンティティ(AI)に害されるのでVHSという非常に分かりやすい原点回帰が色んな意味で刺さりました。いや、もちろん良い意味でですよ、、、
それはさておき、ついにイーサンへ大統領から指令が下るようになったのかと。そりゃ世界が今にも戦争を始めるんじゃないかって危機に、文字通り世界を救う鍵を持ってる本人には大統領のダイレクトアタックをお見舞いしないと、作中のアメリカには「とことんトップダウンかよ!」ってSNSで呪詛が詠まれますよね。そんな訳ないか。
それはさておき(PART 2)、この指令を下す大統領はどんな人柄なのかなと思ったら、まあなんともテキパキッ!イーサンと会話する、と言うか尋問するシーンでは目的・理由・要望をズバズバ問ただす要件人間ぶり。質問するたび「ズバァン!」とSE付けても良いくらい。(ビジネスパーソンだったら相当な結果を残すプレーヤーだろうな、と思ったらこの人大統領やん、、、)
イーサンの要件が一通り終わった矢先には、まだトップ達の結論がまとまってないのに何やら手がテキパキ動いてらっしゃる。人の話は最後まで聞きなさい精神はグッと堪えて、何をしてたか考えつつ物語を観進めてると、どうやら「1996年5月22日」と手紙を書いていました。
そう、この日は「M:I」の第一作が公開された日であり、作中でもこの日を舞台にイーサンの物語は始まりました。この手紙は大統領の同僚に渡され、同僚はこの日に判断を誤ったことから失ったものを回顧。要は、「この日の過ちを二度とするな。迷わずGOだ。」といった趣旨。「やっぱりトップダウンかよー!」
一方、物語終盤のミサイルを発射するのかい、しないのかい、どっちなんだい!のシーン。よく他の映画でも聞くように、最後は大統領がボタンを押すことでミサイルが発射されます。その大統領の人差し指に重くのしかかるのは、犠牲になる他国の人々の命、第三次世界大戦のトリガーとなる可能性、母国の人々の命、そして自分の息子の命。こんな状況なので狼狽えるけど最後は押して、発射途中でイーサン達がプログラムをシャットダウンするのかなと、薄らシナリオをイメージしましたが、、「できない!」の一言。
どんな大統領でも、やっぱり人の子なんだなと。冷徹に振舞わなければいけないところでも、随所にそんなシーンが見え隠れしていました。
こんな緊迫した場面でしか味わえないこの人間味。個人的には本作のベストシーンのひとつです。
まとめ
毎度の超絶アクションには大満足!
どんな映画でもバックグラウンドを知ると面白いと個人的には思っていますが、「ミッション・インポッシブル」はトム本人がスタントまでやって当たり前の映画。
そのシーンを観て、「これってトム・クルーズ本人が本当に実演してるんだよなあ」と思いながら観るのも、他作品とは違った緊迫感とリアルさが伝わって面白い。むしろ事故とかもあってこの手の撮影手法が好まれないこの時代の中で、もはやドキュメンタリーばりにリアルに撮ってる作品は貴重ですね。
ただ、アクションありきで作られたようなシナリオにはやや強引なところはありながらも、ここまで体張って第一線でイーサンを演じ続けたトム、本当にあっぱれ。
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