デロンギの全自動コーヒーマシンを調べていると、必ず目に入るのが「カフェ・ジャポーネ」というあまり聞き慣れないメニュー。
エスプレッソと何が違うの?
アメリカーノやドリップコーヒーとは別物?
そもそも、どのマグニフィカで作れるの?
こういった疑問を持っている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、カフェ・ジャポーネとは何か・エスプレッソとの違い・対応しているマグニフィカシリーズまで、初めての人にもわかるように解説します。
カフェ・ジャポーネとは?|デロンギ独自の抽出スタイル

カフェ・ジャポーネ(Caffè Japonais)とは、イタリアのコーヒーマシンメーカー「デロンギ」が“日本向けに独自開発した抽出メニュー”です。
最大の特徴は、エスプレッソマシンを使いながら、レギュラーコーヒーに近い飲み心地を実現している点。
通常、エスプレッソは、
- 濃くて飲めない
- 苦くて美味しくない
- 量が少ない
というイメージを持たれがちですが、日本では、
- 毎日マグカップで飲みたい
- 朝や仕事中にゴクゴク飲みたい
- ブラックで飲みやすい味がいい
というニーズが圧倒的に多いです。
そこで生まれたのが、エスプレッソ抽出の技術を使いながら、日本人の“普段飲み”に最適化したコーヒー=カフェ・ジャポーネです。
カフェ・ジャポーネとエスプレッソの違い|味・量・抽出の考え方
結論から言うと、抽出方法と味の方向性が違います。
| 項目 | カフェ・ジャポーネ | エスプレッソ |
|---|---|---|
| 抽出圧 | 高圧(エスプレッソ系) | 高圧 |
| 抽出時間 | やや長め | 短い |
| 量 | 多め(レギュラー寄り) | 少量 |
| 味わい | すっきり+コク | 濃厚・苦味強め |
| 向いている人 | 普段ブラック派 | 濃いコーヒー好き |
エスプレッソは「高圧・短時間・少量」で一気に成分を引き出す抽出方法。
一方、カフェ・ジャポーネは「高圧のまま・抽出時間をやや長く・湯量を多め」にすることで、苦み・コクを残しつつ、尖りを抑えた味に仕上げています。
エスプレッソが“特別な一杯”なら、カフェ・ジャポーネは“日常の一杯”といったイメージです。
アメリカーノ・ドリップコーヒーとの違いは?
混同されやすいのが、エスプレッソ・アメリカーノ・ドリップコーヒーとの違いです。
アメリカーノとの違い
アメリカーノとカフェ・ジャポーネの違いは以下の通りです。
- アメリカーノ:エスプレッソ+お湯
- カフェ・ジャポーネ:最初から薄めに抽出
いわゆる、「後から薄めるか」 or 「抽出段階で調整するか」の違いです。
ドリップコーヒーとの違い
続いて、ドリップコーヒーとの違いは以下の通りです。
- ドリップ:重力抽出(圧力なし)
- カフェ・ジャポーネ:高圧抽出
ドリップコーヒーは名前の通り、重力だけでお湯を落とす抽出方法です。抽出する人の技量にもよってきますが、比較的雑味が出にくく、軽くて飲みやすいものになります。その反面、コクは控えめです。
一方、カフェ・ジャポーネは高圧抽出なので、香りが立ちやすく、またコクがあり、口当たりに厚みがある味わいになります。
「ドリップでは物足りないけど、エスプレッソは濃すぎる」といった人には、カフェ・ジャポーネが打ってつけです。
なぜ日本向け?カフェ・ジャポーネ誕生の背景
日本のコーヒー文化は独特です。
- マグカップで飲む
- ブラック派が多い
- 毎日飲む“生活飲料”
イタリアのように「食後にキュッと一杯」飲む文化ではないことに加え、エスプレッソは濃すぎるので、日本人にはあまり好まれていない印象です。
そこでデロンギが「日本人の普段飲み用コーヒー」として開発したのが、カフェ・ジャポーネです。
マグニフィカシリーズでカフェ・ジャポーネが作れる機種一覧

デロンギのマグニフィカシリーズで、カフェ・ジャポーネを作れる機種は以下の通りです。
※日本正規販売モデルの場合、専用ボタン or メニュー内に「カフェ・ジャポーネ」表記があります。
なお、マグニフィカシリーズは機種ごとに操作性やメニュー構成、価格帯が大きく異なります。どの機種を選ぶか、機能性の違いについては、「マグニフィカシリーズを徹底比較した記事」で詳しく解説しています。

マグニフィカSのカフェ・ジャポーネは特に人気
デロンギの全自動コーヒーマシンの中でも、定番なのが「マグニフィカS」です。
理由は「操作がシンプル・味の失敗が少ない・ブラック派にちょうどいい」ところ。つまり、毎日安定して同じ味を求める人には打ってつけの一品です。
カフェ・ジャポーネはどんな人におすすめ?
カフェ・ジャポーネが向いているかどうかは、コーヒーの好みというより「日常でどう飲んでいるか」でほぼ決まります。
もし、普段飲むコーヒーの飲み方が、
- マグカップで飲む
- 仕事中でもプライベートでも、何かとコーヒーを飲む機会が多い
- 基本はブラックで、毎日飲む
こういったスタイルに当てはまる場合は、カフェ・ジャポーネはかなり相性がいいと思います。
エスプレッソほど濃くないため、空腹時でも重く感じにくく、ドリップコーヒーよりはコクと香りがあるので、「なんとなく物足りない」ということも無くなります。特に、コンビニコーヒーを基準に“ちょっと美味しいものを家で飲みたい”と考えている方には、カフェ・ジャポーネが良い選択肢です。
一方で、「とにかく濃いコーヒーが好き」「エスプレッソの苦味とパンチがないと満足できない」という人にとっては、カフェ・ジャポーネはやや軽く感じる可能性もあります。
まとめ|カフェ・ジャポーネは日本人向けに設計されたデロンギ独自の抽出メニュー
カフェ・ジャポーネは、一般的なコーヒーメニューの名前というより、デロンギが日本人の飲み方に合わせて作った「抽出の考え方」に近い存在です。
マグニフィカシリーズは、構造的にはあくまで全自動コーヒーマシンです。本来はエスプレッソを軸に設計されたマシンですが、日本では、「毎日マグカップで飲みたい」「ブラックでゴクゴク飲みたい」「でもドリップだと少し物足りない」というニーズが強くあります。
そのズレを埋めるために用意されたのが、エスプレッソの技術を使いながら、レギュラーコーヒーに近い飲み心地を実現するカフェ・ジャポーネです。
だからこそマグニフィカは、「本来は全自動エスプレッソマシンなのに、全自動コーヒーマシンとして使われている」、少し特殊な立ち位置になっていると思います。実際、カフェ・ジャポーネを中心に使うなら、マグニフィカはドリップコーヒーメーカーの延長としても十分成立するマシンです。
一方で、機種ごとに操作性やメニュー構成、価格帯は大きく異なるため、「どのマグニフィカを選ぶか」は人によって正解が変わります。もし、カフェ・ジャポーネを目的にマグニフィカを検討している場合は、対応機種やシリーズごとの違いを整理した比較記事も、あわせて確認しておくと失敗しにくいです。
エスプレッソか、ドリップか。その二択に違和感を感じている人にとって、カフェ・ジャポーネはちょうど真ん中にある、現実的で満足感のある選択肢になるはずです。


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