今回ご紹介する映画は、『マイ・ファースト・ファイト』です。
本作は、Disney+で2023年8月中旬に配信開始された、アメリカの作品です。映画の長さは75分と比較的短い映画となっており展開はダラダラとしていないため、サクッと観てサクッと楽しめる作品です。
1時間ちょっととなのでスキマ時間にもおすすめ!
本記事では、『マイ・ファースト・ファイト』をネタバレありでご紹介します。
作品情報
タイトル | マイ・ファースト・ファイト |
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原題 | Miguel Wants to Fight |
製作年/国 | 2023年/アメリカ |
上映時間 | 75分(1時間15分) |
ジャンル | コメディ |
監督 | オズ・ロドリゲス |
脚本 | ジェイソン・コンセプシオン シェイ・セラーノ |
キャスト | ダーシャ・ポランコ イマニ・ルイス クリスチャン・ヴニポラ ジョーディン・オーエンズ 他 |
予告動画
あらすじ
主人公のミゲルはいつも怖気付いて喧嘩ができない。
仲間といつも通り過ごしていたある日、ミゲル達は小競り合いから喧嘩に発展。
周りは喧嘩しているのにミゲルだけはその中に入れず、後に仲間からからかわれてしまう。
そんな中、ミゲルは家庭の事情で引っ越すことが決まり、引っ越しまでに自分が勇敢であることを仲間に証明すべくあらゆる手段に出る。
仲間との友情を描く青春コメディ。
ミゲルがいかに「喧嘩」をするか、そのアプローチに注目です!
ここからはネタバレを含んだ内容となります。ご留意いただいた上、ご覧ください。
ミゲルとは一体どんなヤツ??
↑こんな顔してますが、ミゲルは全く喧嘩できません・・・。
簡単に言うと、びびってずっと喧嘩に参戦できていなかった主人公が、引越しの記念に「喧嘩する」思い出を仲間と作るコメディ映画です。
主人公のミゲルは例え仲間が喧嘩してようとも周りに喧嘩を売られようとも、これまでに一度も喧嘩を経験したことがありませんでした。いわゆる、根っからのいいヤツもしくは臆病者です。
上の写真は本作とは関係ありませんが、こっちの写真だと強者感はありますね(笑)
あらゆる角度から喧嘩を試みる
喧嘩ができない、もしくは喧嘩を売ることができないミゲルに対し、仲間たちは色んな喧嘩相手を見つけては倒し方を一緒に熟考します。
まずはスーパーで買い物をしているおじいちゃん。スーパーの買い物かごにミゲルが適当に物を入れ、喧嘩を売りに行きます。ところが、おじいちゃんは耳が遠くミゲルの発する言葉が理解できない。心優しく臆病者のミゲルはそんな姿のおじいちゃんをまさか喧嘩相手になんかできない!と言わんばかりの表情をして仲間の方を振り返ります。そんな相手も罵れないのかと呆れた仲間たちを見たミゲルが振り絞って出した言葉は、「F**k!」(笑)そしてその場を走り去っていきます。
そんなワンシーンを見届けた仲間たちは大はしゃぎ。かつてのミゲルはおしゃべりでかなり出来の良い喧嘩に対するシミュレーションをする割に喧嘩が出来ずにいました。そんな中、おじいちゃん相手としても、まさかのFワードを発することは仲間たちにとっては新鮮で面白い以外の何物でもなかったのでしょうね。
おじいちゃんに喧嘩売ろうとするのもどうなのかとは思ってしまいますね(笑)
そんなこんなで一歩を踏み出したミゲルは、今度は同級生の女の子、毛嫌いするバスケ男子など、色んな人たちに喧嘩を売りに行きます。ただ、そこでミゲルのやることは口で悪口を言うだけ。事の発端だった武力での喧嘩とまでは行けずにいました。
そんな中、ミゲルは親から一週間後に引っ越すことを告げられました。ですがミゲルは気にさせるからと言って仲間たちにはそれを伝えません。
真実を黙ったまま喧嘩の売り方を試行錯誤する日々、仲間たちは不意なことから、仲間の一人であるデイビッドが嫌っている男からミゲルが喧嘩の仕方を習っていたことが発覚します。そこからミゲルとデイビッドの野の知り合いが始まります。そんな中、ミゲルが引っ越すことを知っていたデイビッドはそこでその事実を告げます。もちろんそんな事実を知らない仲間たち何で黙っていたんだとミゲルに怒り、ミゲルは真っ当な理由がなく上手く伝えることができずにその場を去ります。
家に帰ったミゲルは父親と話をします。引っ越しに対する思い、仲間との絶交、父親のような強い人間にはなれないなど、様々なことを打ち明けました。そんな中、ミゲルは仲間たちと過ごしたビデオを不意に見返します。そこでミゲルはデイビッドを含む仲間たちと再会することを決意しました。
ミゲルは仲間の一人に頼み込み、仲間たちと公園でたむろしているところに偶然を装いデイビッドと再会します。もちろんデイビッドは嫌な表情をしてまた揉め事が始まろうとしていたところ、別グループの4人組がミゲルたちをからかいにやってきます。すると喧嘩っ早い仲間の一人が相手に殴りかかると、冒頭のシーンと同じように殴り合いの喧嘩が始まりました。過去のミゲルはそこでは一人だけ参加せず突っ立っていたまま。しかしミゲルは、相手を罵り、いくつもの喧嘩シミュレーションを重ねてきた経験を回想のように思い出します。対比すると面白おかしいですが、今のミゲルの顔つきは間違いなく冒頭ミゲルから成長したたくましい顔つきで、人生初めてのパンチを相手に食らわせます!
初めてパンチした時の拳の痛みを感じるミゲル、相当いい表情してます(笑)
そんなこんなで念願の喧嘩に参戦したミゲル、そしてそれを一緒に成し遂げた仲間たち。
手段が何であれ、仲間と一緒になって何かを成し遂げた彼らを観ていると、観ているこっちまでなぜか達成感と彼らの青さにまぶしさを覚えました。それが喧嘩なのはどうも納得はいきませんが(笑)
数時間前までは互いにいがみ合っていた彼らも、念願の喧嘩をした後にはもう仲直り。最後の4人でいつものようにしゃべくり倒して帰っていくシーンを観るころには、「あぁ、日常に戻って良かったなあ」とこっちまで思わせてくれるような、そんなラストでありストーリー展開です。
オマージュだらけ!!
本作では様々な他作品のオマージュが登場します!
例えば上のシーン。もう相手のお尻しか映っていなくてもミゲルがジャッキー・チェンに扮していることは、この服装を見れば一瞬で分かり、さらに明らかに格闘をしていますね(笑)
この他にもワンパンマン、NARUTO、ドラゴンボールなど、日本の漫画やアニメのシーンが取り入れられており、日本人としてはこの採用にちょっと嬉しさを感じました。
ただ、ちょっと作品の加工加減や編集方法がてTikTokで編集しました感が否めず、まあ流行りなんだろうなという感じでチープな印象は少し受けました。
一方、劇中でエアジョーダンが登場するシーンがありますが、そこで主人公がプレゼントでもらったエアジョーダンがパチモンだったことに気付き、ミゲルは落胆します。そのシーンで映るエアジョーダンまがいのエンブレムがふざけてて面白いです(笑)ぜひ注目してください!(笑)
まとめ
流行りを踏襲した青春コメディ!
ご紹介したように、本作では様々な映画のオマージュやアニメチックな場面が出てきます。
それらのエフェクトや編集方法を気にしながら観てみると、なんともYouTube感やTikTok感が場面場面で感じられます。それはそれで短い尺ながらもティーン映画として楽しむことができますが、映画にしては少しチープでB級映画のようにも感じられるかもしれません。
それもそれでひとつの味なのかもしれません。
ですが、それぞれの役者の雰囲気や、そもそもあらゆる手段で喧嘩を計画するというストーリーの構成など、ミゲルは本当に喧嘩が苦手なんだろうなっていうのが伝わる、非常に観やすい映画でした。
また、作中でもミゲルの父親が言っているように、無理に人と喧嘩することは良くないことですが、ミゲルと仲間たちが最後に一緒に乗り越えた喧嘩は、間違いなく彼らの絆を深める、「最高のイベント」であったことは間違いありません。(そのイベントが喧嘩だったのは平和ではありませんが(笑))
クスッと笑いもありながらも青春を楽しめる、そんな作品をぜひお楽しみください!
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