【ネタバレ感想】『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』ロケットの壮絶な過去とは 涙なしには観られないシリーズ完結編!!

今回ご紹介する映画は、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』です。

本作は、2014年に公開された1作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、2017年に公開された2作目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に続き、再び監督ジェームズ・ガンが手掛けるシリーズ完結編となる3作目となります。

みなと

いつもの調子の”ガーディアンズ”の掛け合いに注目です!!

本記事では、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』をネタバレありでご紹介します。

目次

作品情報

タイトルガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME.3
原題Guardians of the Galaxy Vol.3
製作年/国2023年/アメリカ
上映時間150分(2時間30分)
ジャンルアクション/アドベンチャー
監督ジェームズ・ガン
脚本ジェームズ・ガン
キャストクリス・プラット
ゾーイ・サルダナ
カレン・ギラン
ブラッドリー・クーパー
ヴィン・ディーゼル
デイヴ・バウティスタ 他

予告動画

あらすじ

惑星「ノーウェア」にある新たなガーディアンズ・オブ・ギャラクシー本部にいたガーディアンズ一行は、ソヴリン人の女王アイーシャによって生み出された戦士アダム・ウォーロックの襲撃に遭う。アダムはガーディアンズを瞬時に圧倒し、ロケットに重傷を負わせた後、ネビュラによって刺されるも「ノーウェア」から撤退する。ガーディアンズはロケットの治療に当たるが、ロケットに埋め込まれたキルスイッチにより治療を進めることができない。

ロケットの命を救うため、ガーディアンズはキルスイッチを解除するパスキーを手に入れにオルゴコープの本社へ赴く。その先で知るロケットの過去、立ちはだかる敵、そしてロケットが改造された意味とは…⁉

以下、ネタバレ含みます

ここからはネタバレを含んだ内容となります。ご留意いただいた上、ご覧ください。

ネタバレ・感想

注目のオープニング

オープニングでRadioheadのCreepを聴くロケット
©Marvel Studios 2023

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの魅力の一つは、何といっても音楽ですよね。

特にオープニング曲はかなりの有名どころがチョイスされており、これからストーリーが始まるワクワク感を与えてくれます。1作目はRedBoneの「Come and Get Your Love」、2作目はElectric Light Orchestraの「Mr. Blue Sky」と、かなりポップで明るい印象のオープニング。さらにクイルが踊りグルートが踊りはしゃぎと入りから見ごたえもそのキャラクターの特徴もわかるシーンでした。

みなと

観ている側も思わず音楽にノッてしまうくらい良いオープニング!!

しかし!!今回は今までとは真逆の、非常にシックなオープニングとなりました。その曲は、Radioheadの「Creep」。「Creep」とは直訳すると「変人」「キモいヤツ」「忍び寄る」など、かなりネガティブな意味になります。その曲名通りメロディも暗めではありますが、原曲通りではなくアコースティック版となっているため、原曲を知っている方からするとより暗い印象が感じられます。

そしてそのオープニングに焦点が当てられているのが、ロケット。今作はロケットにどんな過去が存在したのかというところがメインになっていますが、一体ロケットにはどれだけの重い過去があったのか、このオープニングに映る姿を観て歌を聴いて、かなり悲観的な意味でゾクゾクしました。

みなと

単なるBGMじゃなく、使う曲に意味を持たせるのもジェームズ・ガン監督の上手い手法ですね!!

ロケット、ガーディアンズにとっての友達

ロケットが過去に時間を共にした友達たち
©Marvel Studios 2023

あらすじやオープニングからも読み取れるように、本作の主役はハイテクな武器をふんだんに使い敵をなぎ倒してきたロケットです。でもそんな彼も、幼少期は非常に温厚なアライグマでした。

ある開発者のエゴにより人間以上の頭脳を持ち、体も動物そのものではなくなってしまうほど改造され、もはや「生命」ではなく「モノ」として扱われてきたロケット。そんな扱いを受けたのは彼だけではなく、そこでは他の動物たちも実験材料とされていました。これまで生涯を檻の中で過ごし、時に実験対象として体を改造される。そんな彼らにもそれぞれの夢、想いがあり、お互いにそれを打ち明けることで生まれていく絆……そして失意の中の友達との別れ…。カワウソのライラが銃殺された時のロケットの叫びは、単に悔しさからくる叫びではなく、同じ時を過ごし同じ夢を持った初めての友達とこれからその夢を叶えに行く半ばで挫かれたことによる叫びに感じられました。この喪失感には耐えられませんでした。。

そんな悲痛な過去から、現在のロケットは毒舌痛快な言動が専売特許のように振舞っていますが、随所にロケットがいかにガーディアンズを家族として大切に思っているかが、改めてひしひしと伝わってきます。

みなと

この作品のテーマでありながらも、今回のこの表現は非常に胸に刺さります……

また、キルスイッチのパスキーを手に入れたクイル達はロケットの治療を試みますが、ロケットの脈は止まってしまいます。一緒にいるガモーラはもうだめだ、無駄だと言い放ちますが、クイルはそれでも諦めず「死なせない」と、心臓マッサージを止めようとしません。このシーンのクイルの表情は今までのおちゃらけた要素が全くなく、今までにないほど本気な表情をしており、それがまたこのチームの、家族の絆が強力なものなのだと、涙なしには観られません!!

最後のシーンではグルートも思わず、「みんな愛してる」と言葉を発してしまいます!!(笑)

ハイ・エボリューショナリーの理想郷は悪なのか

理想郷に向かうハイ・エボリューショナリー
©Marvel Studios 2023

結論から言うと、「やり方が間違っている」というところに尽きると思います。

今回のヴィラン、ハイ・エボリューショナリー。言っていることが支離滅裂だったり、ヴィランと位置付けられるほどガーディアンズたちを苦しめられてなかったりと、ツッコミどころ満載な彼。そんな彼は、怒りのない穏やかな世界、彼曰くそれが完璧な世界だと信じていました。その理想を実現するために「89P13」ことロケットらを改造し、最終的にはロケットの非凡な頭脳を手に入れようとしました。

怒りのない、すべてが穏やかな世界というのは感情の一つが欠落した世界ということになるので、我々人間からしたら人間味がないと感じられずにはいられません。ですが、彼が作り出したとされる「カウンター・アース」では、クイル達が出会った人型の動物たちは、ドラックスがボールを子供の頭に投げ返したことで怒りを買ってしまいましたが、それ以外は非常に温厚で、むしろクイル達を家に招き入れるほどの心の広さを持っていました。

結局は「カウンター・アース」を捨て次の実験へと向かおうとした彼なので全否定させてもらいたいくらいですが、クイルも言っていたように、まるで地球のようなその見た目や生命で空間を作り上げていたことは、今でこそSDGsと叫ばれていますが人間本位で次々と自然を開拓していった我々たちからすると、あながち悪とは言い切れないのかもしれません。

エンドロール後の意味とは?

クイルを指さして笑うドラックスとマンティス
©Marvel Studios 2023

エンドロール後、私たちファンにとっては最高の瞬間になりました。

それは、「伝説のスター・ロードは帰ってくる」という一文です。

1作目では、スター・ロードなんて言葉、ましてやそんな人物なんて誰も知らかったが故に、クイルは自分がスター・ロードなんだと周りに言いふらすように行動していました。それから2作目、そして今作と、銀河で名を馳せたスター・ロードの存在は、本シリーズを観る方たち含め、今や誰もが知るあの「スター・ロード」になり、誰もその名を知らなかった当時の状況から大きく変わりました。

これからの時代、銀河を駆け巡りその存在を知らしめていくのは、キャプテン・ロケット率いる新生ガーディアンズとなるはず。でもきっと、ガーディアンズ、そしてアベンジャーズの窮地にスター・ロードは現れる、そんな再登場を期待せずにはいられません!

みなと

次はどんな登場なのか、全く想像もつかないところもワクワクします!

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3を観る前の予習映画は?

『アベンジャーズ』をはじめとするMCUシリーズは膨大な作品数が既に公開されています。ぜひ時系列や公開順で一気見していただきたいところですが、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのシリーズだけを観たいという方は下記を参考にしてください。

  1. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年)
  2. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年)
  3. アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年)
  4. アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年)
  5. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/ホリデースペシャル(2022年)
  6. ソー:ラブ&サンダー(2022年)
  7. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年) ←本作!

ガーディアンズたちがメインの話は題名からもお分かりのように3作品のみですが、他の上記の作品では彼らが出演します。もちろん、各作品の話の流れやその時その時の内容は、他の作品で描かれた内容を踏まえて進んでいきますので、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の題名が入った作品のみを観ると話についていけない、もしくは他作品を観ていないがために一部の演出を理解できず楽しめないといったことになりかねません。

みなと

他作品もご覧になったうえでの視聴を強くお勧めします!!

まとめ

ハイ・エボリューショナリーへと立ち向かうガーディアンズたち
©Marvel Studios 2023

”いつも通り”のテンションで贈る、ガーディアンズの完結編

エンドロール途中の新生ガーディアンズは、「あのアーティストがいい」「これもいいぞ」などと、非常に呑気な貝和を楽しみながら敵に立ち向かっていく。本シリーズはそれぞれの壮絶な過去を抱えたガーディアンズたちが、真面目にふざけながらも銀河を救うストーリー。そんな中で気の合う仲間たちと軽いノリでお互いの趣味や好みを話し合う、その姿はもはや「家族」と言わざるを得ないほどに完璧なラストシーンでした。

ジェームズ・ガン監督が手掛けるシリーズ完結編、最高の締めくくりをぜひお楽しみください!!

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