今回ご紹介する映画は、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』です。
「ミッション:インポッシブル」シリーズ第7弾、そしてシリーズ初の2部構成となり、今回がその第1部となります。
本記事では、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の解説をネタバレありでご紹介します。
作品情報
タイトル | ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE |
原題 | Mission:Impossible – Dead Reckoning – Part One |
製作年/国 | 2023年/アメリカ |
上映時間 | 163分(2時間43分) |
ジャンル | アクション |
監督 | クリストファー・マッカリー |
脚本 | クリストファー・マッカリー |
キャスト | トム・クルーズ サイモン・ペッグ レベッカ・ファーガソン ヴィング・レイムス ヴァネッサ・カービー ヘンリー・ツェーニー 他 |
予告動画
あらすじ
IMFのエージェント、イーサン・ハントに新たなミッションが与えられる。
それは「全世界を恐怖に陥れる武器を掌握せよ」と言うものだった。
ミッション達成のために行動するイーサンと仲間たちに立ちはだかるのは、かつての敵、そして…
ここからはネタバレを含んだ内容となります。ご留意いただいた上、ご覧ください。
ネタバレ・解説
ロシアの潜水艦
始まりはロシア最先端の潜水艦「セヴァストポリ」
この潜水艦では、推測航法(デッドレコニング)をAIで行う実験がされていた。乗組員はこのAIを、2つの鍵を組み合わせた十字架型の1つの鍵で操作する。
そんな中、潜水艦のレーダーでアメリカと思われる潜水艦を発見。信号を送るも反応はなく、後にレーダーで魚雷の発射を感知する。それに応じるようにロシア側も魚雷を発射、それは見事に命中させた…と思われたがレーダーで感知していたはずの潜水艦の反応が消失した。システムの不具合と結論付け魚雷の停止ボタンを押したが、その魚雷は何故かUターンして「セヴァストポリ」へ向かい直撃。
乗組員は全滅し、「セヴァストポリ」はAIもろとも沈没してしまう。
与えられたミッション
IMFのエージェント、イーサン・ハントの元に新たなミッションが届く。
それは「特殊な2つの鍵」を見つけること。しかしその鍵の役割はそこでは伝えられない。
そのうちの1つはイルサ・ファウストが持っているとの情報があり、さらには彼女に懸賞金が掛けられている。賞金稼ぎから彼女を守るため、そして鍵を入手するためにイーサンはアラビアの砂漠へ向かう。
イルサとの再会
アラビアの砂漠では、すでに賞金稼ぎがイルサの居場所を嗅ぎつけていた。
イーサンはそれを気付かせるため、イルサに合図を送る。しかし、それに気付いた賞金稼ぎたちと銃撃戦が繰り広げられる。
激しい銃撃戦の末、イーサンは賞金稼ぎを退き、イルサと再開する。
これ以上彼女が狙われないよう彼女を亡き者と偽装し、鍵を受け取った上でその場から彼女を逃すことに成功する。
イーサンの宣戦布告
一方、アメリカ政府は謎のAI「エンティティ」が、金融機関や政府にサイバー攻撃を仕掛けていることを認識。しかしその攻撃による被害はなく、だが「エンティティ」を止める術もない。現状、無敵のAIを手に入れられれば世界を掌握できる、と各国は躍起になっている。
そんな中、「エンティティ」を手中に収める方法がある、とIMF長官のユージーン・キトリッジは言う。
それは「行方不明の2つの鍵を手に入れる」こと。目的達成のためには、すでにIMFのエージェント、イーサン・ハントを送り込んでいると言うものの、音信不通と報告された。
そんな中、キトリッジの補佐が突然キトリッジへガスマスクを渡すと次の瞬間、部屋に催涙ガスが撒かれ、他は皆眠らされてしまう。謎の行動を起こした補佐は、変装したイーサンだった。
イーサンはキトリッジへ、イルサが危険に晒されたことの警告、鍵を1つ入手したこと、そしてもう1つの鍵を手に入れ「エンティティ」を破壊することを宣言した。
今回の敵は全世界 & AI
イーサンはベンジー、ルーサーと合流し、鍵の目的を探るため、もう1つの鍵の取引が行われるアブダビ空港へ向かう。イーサンたちは計画通り鍵を持った取引人を見つけ接触しようとするが、鍵はスリの女性・グレースに盗まれてしまう。イーサンはグレースをすぐに捕まえ、鍵を取引人のポケットに戻すよう促すが、取引人はイスに座った状態で何者かに殺されていた。
一方、ベンジーは預け入れの荷物に不審物を見つけ、中にあった核爆弾の対処に追われる。核爆弾にはAIが組み込まれており、次々と出されるクイズにベンジーは翻弄される。ギリギリで解除に成功するも、中身は空っぽだった。
爆弾解除に無線で応答していたイーサンは、解除の安堵の隙にグレースに鍵を盗まれる。グレースはローマへと飛び立ってしまった。
途中、イーサンは過去に敵として対峙した男、ガブリエルを見つける。しかし、何故か空港の監視カメラやイーサンの付けるAI搭載型のサングラスには彼の姿が写っていなかった、、
ローマでの逃亡劇
ローマへ飛び立ったグレースは、イーサンが手配した現地警察により捕まった。
その場を逃げ出そうとするグレースをイーサンは追いかけるが、空港で見つけたガブリエルとその仲間パリスも鍵を持つグレースを追う。さらには空港から追いかけてきていたCIAもイーサンを追いかけ、イーサンとグレースはローマ中をカーチェイスする。
見事にその場を抜け出すも、またもやイーサンは鍵を持ったグレースに巻かれてしまう。
失意の中、イーサンはベンジー、ルーサー、そしてイルサと合流する。
交わるそれぞれの思惑
イーサンたちは、グレースの雇い主を“ホワイト・ウィドウ”ことアラナ・ミツポリスと突き止める。
ある宮殿で行われるパーティにグレースは向かい、イーサンとイルサもそれを追う。そこにはグレースの雇い主であるアラナとガブリエルも現れた。
2つの鍵のうち、1つはグレース、そしてもう1つはアラナが持っていることを明かす。
そこでガブリエルは「自分がAIの犬」であること、そして「自分のみが鍵の使い道を知っている」と発言し、アラナへ明日のオリエント急行で取引人と交渉するよう話を持ちかけられる。それを阻止したいイーサンはアラナへ交渉するも、決裂。
そしてAIによって守られているガブリエルは自分を追うイーサンへ「グレースとイルサのうちいずれかが死を迎える」ことを予言しその場を去る。
イーサンはベンジーとの無線で鍵を持つグレースを追いかけるも、なんとAIによるベンジーのなりすましによりグレースへ辿り着けない。
グレースはガブリエルを見つけ決闘するも敗北。そこへイルサも応援したが、敗北し、イルサはガブリエルにより殺害されてしまう。
すべては「エンティティ」の掌の上
グレースを含むイーサンたちはイルサが殺害された喪失感に苛まれるも、取引が行われるオリエント急行で鍵を手に入れることを決意。
今まで駆使してきたハイテクな装備はすべてエンティティにより使用不可。変装のマスクすら作ることができない。
グレースをアラナへと変装させ、イーサンは奇策で列車に乗り込む計画へとシフトした。
運命のオリエント急行
列車にはアラナ、CIA、そしてガブリエルも同乗。ガブリエルは車掌を殺害し、列車はノンストップで走り続ける。
アラナへ変装したグレースは、アラナを気絶させ取引人と出会う。しかしその取引人はなんとIMF長官キトリッジであった。
一方、ガブリエルと仲間のパリスは政府の人間デンリンジャーと接触。彼は自分が「沈没した潜水艦セヴァストポリの居場所を唯一知る人間」と発言。
それを聞いたガブリエルはAIの在処を不明にするために彼を殺害。そして同じく話を聞いていたパリスをも殺そうとする。
その頃イーサンは、速度の落ちない列車に飛び乗れず、崖からバイクごと飛び降り列車へと侵入する。
グレースはキトリッジとの取引で、巨額な金と自らの安全の保障を引き換えに鍵をキトリッジへ渡す。しかし取引完了寸前、彼女は正気を取り戻し、キトリッジから再び鍵を盗み取る。
その頃本物のアラナが目を覚まし、キトリッジが鍵を盗まれたことに気付く。窮地に追い込まれたグレースだったが、窓を突き破って侵入したイーサンに間一髪で助けられる。しかし、その反動で鍵は近くにいたガブリエルの足元に転がり、鍵を持って列車の上へと逃げられてしまう。
激闘の末、イーサンはなんとかガブリエルへの復讐寸前に迫るも、CIAに止められる。その瞬間、ガブリエルは列車から飛び降り、待ち構えていたトラックで逃げていってしまう。しかし、イーサンは闘いの最中でガブリエルから鍵を盗み取っていた。
すぐにイーサンたちは列車をなんとか止めようとするもなかなか止まらず、一方ガブリエルによって橋に仕掛けられた爆弾が爆発。崩れ落ちる橋に対し列車を切り離したイーサンたちは崖ギリギリで喰らい付く。ゆっくりと落ちていく列車で、イーサンたちは間一髪のところをガブリエルの仲間だったパリスに助けられる。
パリスは死の目前、イーサンへ、「AIの核がセヴァストポリに搭載されている」こと、「鍵はそこにアクセスするため」に存在することを伝える。
イーサンは鍵を持ってセヴァストポリへと辿り着くべく、グレースへ別れを告げ、パラグライダーで列車から去っていった。
まとめ
結論から言うと、映画館で観て間違いなし。
今作の見どころは、間違いなく「ノースタントによるリアルさ」です。
今までのように敵が人間というわけではなくAIということで、従来からイーサンたちが使用してきたハイテクな道具たちが使えず、むしろアナログな方法でしか敵に近づくことができませんでした。そんな設定から、バイクでの決死のダイブや爆走からの戦闘シーンなどが作中でも目立ち、迫力の詰まった内容となってました。
また、今回は初の2部構成でありながら、今作第1弾が164分とシンプルに長編映画です。
第1弾が2時間半越えはもはや今までの1作品完結ものと同等ですが、その分アクションシーンの一つひとつに厚みがあるなど、他作品と比べるとかなり長めです。
カーチェイスのシーンだったり、オリエント急行の爆破後のただ車内を駆け上るシーンなんかはそんな長尺いらん⁉とは薄っすら思いながらも、結局ハラハラしながら楽しんで観てました(笑)
また、黄色のフィアットでローマを爆走するところなんかは、激しいカーアクションがありながらもルパン三世みたいでユーモアもありましたね。
一方、ストーリーは内容があるようでないようなものでした。CMからも分かるように、ストーリーよりもアクションメインになっていることから「なんでそうなるねん!」みたいなツッコミどころはたびたびありましたし、今回は登場人物が非常に多い上に、各々が各々の思惑を持って行動していたために話を繋げるのがちょっと強引な感じはありました。
クリストファー・ノーランの作品のように複雑怪奇というわけではなかったですが、一種のサスペンス並みにストーリーを頭の中で整理して組み立てる必要があったのでちょっと疲れましたね(笑)
第2部はいよいよ、イーサンがエンティティの核に迫ることとなるはずです。
そのアプローチに対してガブリエルは一体どんな行動を取るのか、はたまた新たな刺客が現れるのか。
60代のトム・クルーズがこんなド派手なアクションで私たちを魅了してくれることにすでに感動してますが、続編でも大アクション俳優として映画界に君臨して欲しいですね。
映画は最近公開されたばかりですが、すでに続編が待ち遠しい!!
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